2013/01/23

国民新党を離党した森田高 議員の声

難関入試を経て医者になったのに、国会議員になる人がいる。その数、約20人。一人の医師が現場で治療するより、政治を通して医療の水準を高めていこうと決意して立候補した人々だ。彼らは、医師会や薬剤師会などから支援を受け、当選後は、業界と政府・役所の橋渡しをしたり、厚生労働省などに圧力をかけたりする役割があるのだろう。

国民新党の森田高参議院議員もその一人で、泌尿器科医である。2007年7月、富山から無所属(民主党・社会民主党・国民新党推薦)で参議院選挙に立候補した。その選挙は、自民党から民主党に政権交替した選挙である。森田議員は、同年8月に民主党・新緑風会に入会し、翌2008年12月、国民新党に入党した。

小泉元首相の郵政民営化に反対して2005年8月に結党したいわシングル・イシューの政党である国民新党は、郵政民営化関連法案(2005年9月成立)を凍結すべく活動し、民主党・社会民主党と共同で、民営化の実施を凍結する「郵政民営化凍結法案」を2008年8月に提出し、2009年12月郵政株売却凍結法案を可決・成立させた。

2012年12月、そしてまた政権は民主党から自民党に変わり、国民新党の議員は離党したり落選したりして、現在3名まで減少した。

役目を終えた政党はどうすべきか?
業界団体(郵政関係者)は、時の与党とどのような関係を構築すべきか? 

森田高議員は、国民新党を離党するにあたり、その答えを明快に述べている。(下記ニュース記事参照)

森田議員のホームページには、通信文化新報の記事のスキャン画像が掲載されているが、そのままではネット検索でヒットしないので、ここにデジタル化して掲載する。著作権の問題があると思うが、重要な記事が埋もれないようにするためなので、通信文化新報のご理解を賜りたい。


[森田参院議員 国民新党を離党]「郵政の将来考え解党すべき」と主張(2013/1/23)

森田高参議院議員は一月十六日の国民新党の会見で、同日に国民新党に離党届を提出したことを明らかにした。森田議員は菅内閣と野田内閣で総務大臣政務官を務め、改正郵政民営化法の成立に向けて尽力、成立後も行政官の立場から郵政事業見直しを見守った。離党の理由は、昨年十二月の衆院選後に「国民新党を解党すべき」と自見庄三郎代表らに申し入れてきたが、受け入れられなかったことを挙げた。

通信文化新報の「郵便局長たちは地域によって自民党との関係が希薄になったところもあるが、郵政関係者はどのように進むべきだろうか」との質問に、森田議員は「解党すべきと主張した理由に、郵政関係者の今後のことがあった」と述べた。

森田議員は「この党は、郵政見直しのために作られた党ということを踏まえなければならない。全国郵便局長会は以前、自民党を支持し活動してきたが、たもとを分かち国民新党を支援することになった。確かに国民新党は愚直に、力強く郵政見直しのためにまい進してきた。しかし、残念だが、国政政策全般に影響力を行使できない議席しか持っていない」と指摘。

「許認可事業、税制、予算も、今後の郵政三事業の発展も、医師会、歯科医師会、薬剤師会など他業界団体と同様に、政権与党とのパイプなしに進めていくことはできない」としみじみ語った。

「様々な思いはあるが、改正法は民自公の三党合意。国民新党がその触媒となり成立した法律だ。選挙の結果は素直に受け止めるしかない。権力に迎合せよという話しではない。しかし、郵政には四十万人の雇用があり、今後、貯金、保険の許認可事業も含めて実際に総務大臣や金融を担当する財務大臣の印鑑、最終的には官邸全体の意思決定が必要な中で、政権与党を敵に回して三事業の将来はあり得ない。郵政現場、OBの方々に現実を的確に受け止めていただく中で、与党との良い関係を構築すべきだ」と強調した。

記者団からの「今後の進退について」などの質問には「即答できることはない」とし、続けて「六年間精一杯燃焼するのが自分の責任、義務、出発点との思いだ。具体的な方法を今申し上げることはできないが、そういう気持ちを持ってやっていきたい。必ず何かできるのではないか。手応えも感じている。現時点では無所属で議会事務局に申請している。これからどうするかは予断を以て言える状況にない」と語った。

綿貫民輔元代表には何度も感謝の意を表すとともに、自見代表などにも「感謝申し上げたい」と強調した。

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